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ディスプレイ業ってどんな仕事?
ディスプレイ業界と言っても一般の方には馴染みのない業界かもしれません。映像のディスプレイのことではありません。それでもウィンドーディスプレイという言葉を聞いたことがないという人は少ないでしょう。
そして大手企業である乃村工藝社や丹青社と言えば聞いたことがある人も多いと思います。文科系の大学ではそれほど志望者が多くはありませんが、美術系の大学ではとても人気のある就職先です。服飾関係と並びデザイナーとして採用されたいと思っている女子学生はとても多い筈です。
ただし、ディスプレイの制作現場は美術や工芸と言うより建築会社に近い仕事が多いと思った方がいいでしょう。主な仕事は、東京ビッグサイトや幕張メッセで行われる見本市などに出展する企業の展示物の企画、設計、製作、施工監理のほか、商業施設の外装・内装や商品の展示、さらには照明や音響に至るまで総合的に請け負う業界なのです。
例えば、東京モーターショーなどの大きな展示会や見本市の大型ブースなどを手掛けるのがディスプレイ業者です。また、大手の商業施設やカフェなど人気店舗の内装・外装、更にお台場に登場したが実物大のガンダムや有楽町マリオンのからくり時計などを制作したのは最大手の乃村工藝社です。社名が○○工芸と言う場合は、大体ディスプレイ業者か看板製作業者です。
ディスプレイ業者の大手ランキング
乃村工藝社、丹青社、スペース、ラックランド、船場が日本のディスプレイ業者の上位5社です。ただ、一口にディスプレイ業と言っても日本のスペースデザインの中心となる大手企業ばかりでなく、展示ブース作りから造形製作、看板製作、POP、内外装、イベント業と多岐にわたります。
歴史の古い老舗と言われる業者は菊人形の制作から創業した100年を超えるような会社もあります。
6番目からはTOW、セレスポ、レイ、博展の順になるようですが、転職で会社を選ぶならば、その会社で自分が何をやりたいのか? 会社は小さくてもその会社の得意な分野が自分のやりたい分野ならば迷わずその会社を選んだ方がいいでしょう。
今は幾らでも転職が出来ますから実力を着けてから大手に入る方法はいくらでもあります。
ディスプレイ業者10社
最大手はランキングで紹介しました。特に大きな仕事は乃村、丹青の2社が受注することが多く、年に一度選ばれる業界の「ディスプレイ産業大賞」の受賞作品を見れば、その実績が分かります。
この賞のほかにサインデザイン、ディスプレイデザイン、商業施設設計デザインを加えた日本の空間デザイン4賞の受賞式が毎年共同で実施されますが、その中でもこの2社の仕事は際立っているのが分かります。
ただし、大手企業に転職するのは難しいので、その下にランクされている10社をご紹介したいと思います。東京が仕事の中心になりますが、各県ごとに代表する会社がありますから、日本ディスプレイ業団体連合会の県単位の協同組合の名簿を参照していただきたいと思います。それでは、私の選んだ10社を紹介します。
最初にトーガシ、室内装飾から展示会、イベントの開催・運営なども手掛ける中堅の会社です。イベントと言えばスポーツやコンサートに強いシミズオクトはイベントの最大手とも言えます。展示やイベントのほかに店舗装飾でも実績のある小林工芸社、白水社やフジヤも準大手企業と言えるでしょう。
展示会やイベントのカーペットでは中村住装です。業界のパイオニアとして歴史のある中村展装やムラヤマ。また、舞台装飾では東広、関西では実績のある老舗のウエムラも入れておきます。
ディスプレイ業の特徴
ディスプレイ業とはモノを売る場の環境演出をする仕事ですから、店舗の外装、内装から売り場や商品の展示、照明や音響など、すべてに関わります。商空間の企画・設計・制作施行・監理をトータルに行う企業と言うことになります。更に店舗ばかりでなく、展示会の企画・運営やブースづくり、集客まで携わり商品をより魅力的に見せる演出をします。
大きな商業施設や博物館、美術館などの場合は、ディスプレイ業者の上に大手広告代理店が入ることもあって、代理店の作ったコンセプトのもとに展示のための内装や什器、演出機器を製作していきます。
ただし、大手であってもその全てを一社で行うのではなく、一つ一つのパーツは関係会社や協力会社に依頼し、製作していくのが普通で、内装業者や看板製作会社、POP制作会社が下請けに入ります。そのため、仕事をトータルに受けることのできる大きな会社が多くなるのも事実で、産業全体から見ると売り上げ規模はSPやPOP、サイン・看板などから見ると大きな産業と言うことになります。
ディスプレイ業の実績
ディスプレイ業の年間売り上げ規模は1兆6000億円市場で、看板業界などから見ればはるかに大きな業界です。商業施設のほか、ホテルなどの宿泊施設、コンサートやスポーツなどのイベントにも関わることからこれまで順調に推移しています。
ただし、昨年に限ってはコロナの影響で、人の多く集まる催し物の多くが中止のなり前年実績を下回ることが予想されますが、今年オリンピックなどの国際イベントの開催や渋谷などの再開発による大きな商業施設がオープンすればされれば元の状態に戻ると思われます。
ただし、今のところ先が見えない状況で、イベント業者などの中には厳しい経営を余儀なくされている所もあるようです。ディスプレイ業は展示や内装と言った集客を担う仕事ですから、広告業とは基本的に立場が違います。
更に建設業の景気動向によってはディスプレイ業も同じような立場に晒される危惧もあります。ただし、コロナが終息し、展示会やイベントの中止や観客の入場制限などが緩和されれば、以前の実績が戻ることが予想されます。
ディスプレイ広告業界のメリット、デメリット
ウィンドーディスプレイなどのお洒落な装飾を仕事にしたいという人は多いと思います。特に美術系の大学を出て、デザインの仕事に就きたい、デザイナーになりたいと思っている人にとっては、自分の好きなことを仕事に出来る業界なので、そのような人にはメリットと言えます。
勿論、ディスプレイ業にはそのような仕事ばかりではなく、営業の仕事もありますが、デザインのセンスのある人がやり易い仕事であることは間違いありません。
また、建築関係の知識のある人や建築士の資格を持っている人、また、商品装飾展示技能士の有資格者にとってはやりがいのある仕事ですから大きなメリットです。
一方、広告業と同様に時間外の仕事が多いのも事実です。お店の営業時間には内装やメンテナンスは出来ませんから、夜の仕事も多くなります。更にイベントの準備や終了した後の解体作業などは当然ですが夜の仕事になります。
更に重要なことは、デザインはセンスが重要な仕事ですから、長い間働いているから給料が増えていくという訳ではありません。実績がなければ給料は横ばいになったり、出来高払いになったりするケースもあるので、デメリットかもしれません。
また、幾らセンスのある人でも最終的な決定権は自分ではなく、クライアントです。それがディスプレイ業であり、デザイナーの宿命でもあります。そのためこの業界では独立してフリーになったり、自分の事務所を持つデザイナーも少なくありません。
私の知っているデザイナーにも乃村工藝社出身、丹青社出身という人がたくさんいますから、独立も一つの選択肢です。
ディスプレイ広告業界のまとめ
ディスプレイ業の仕事の内容やデザインの仕事としての業界を話してきましたが、それだけではありません。それまで建築やデザインの勉強をしてきた人でなくても興味があれば仕事に携われるのがディスプレイ業で、穴場とも言えます。
特に営業で取引先やクライアントとのコミュニケーションが得意な人ならば、転職にはお勧めの業種と言えます。
特に交渉力やプレゼン力のある人なら転職が有利に働くでしょう。特に能力があれば営業から経営に携わるチャンスとも言えます。
ただし、体力勝負の業界だということを忘れないでください。一つのイベントや商業施設を完成させた喜びは他では得られないものがあります。
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